私の履歴書③伊藤忠兵衛(昭和32年3月掲載)
■伊藤忠兵衛(二代)(1886年~1973年)
日本の実業家で、伊藤忠財閥2代目。滋賀県犬神郡豊郷村字八目に生まれ、滋賀商業学校を卒業し、伊藤本店に入社する。
幼少時代に長兄が早くなくなり、一人息子的な存在で大切に育てられた。父初代忠兵衛はすでに事業に成功し、富豪の仲間入りをしていた。東京高等商業を目指すが父の死去により二代目忠兵衛を襲名する。
彼の一生を支配したものに1909年からの英国に留学がある。そこで彼は経営を学び日本は将来外国製品輸入よりも自国で製造すべきであるなど、このとき「合理主義の精神」が身についた。
経営においては大胆な企業縮小と経営革新を断行など、集中と分散を行うことにより未曾有の難局を乗り越えた。組織編成に彼の特徴を見ることができる。
伊藤本店などの6部門を伊藤忠兵衛本部に統合、その後法人企業として伊藤忠合名会社設立し、さらに祖業である呉服太物問屋として「伊藤忠商店」、貿易の支店として「伊藤忠商事」を設立した。1921年には合併で「丸紅商店」が発足している。その後も合併を繰り返したが戦後の財閥解体で、伊藤忠商事、丸紅、尼崎製釘所、呉服紡績(後の東洋紡績)に別れた。
総合商社の特徴としては、1.組織のハードな構造としての管理の仕組み、2.会社全体を矛盾なく動かすソフト(経営理念・社風の重要視)をあげることができる。
『丸紅経営理念』
社是:「正」(公正にして明朗なること)
「新」(進取積極的にして創意工夫を図ること)
「和」(互いに人格を尊重し親和協力すること)
『伊藤忠グループの企業理念』
原点「三方よし」
(まとめ:パワーポイント30枚、講義45分)
以上